ぼくのインターン -映画『マイ・インターン』-
みなさんインターンシップって行ったことありますか。
企業とかに行って実際にその環境で働いてみるという、アレ。
昨今はもう学生とか就活生には当たり前のものになってるやつ。
かくいう僕も、学校のカリキュラムの一端でインターンシップに行ったことがある。
19歳の時の夏休みに2ヶ所、一か所が某研究機関、もう一か所が霞が関の某お役所。
結構いろいろとやらせてもらえてとっても楽しかったし二度とできないくらい貴重な体験だったのはそうなんだけど、まぁ、ぺーぺーなのでできることにも限りがあって。正直にいうと居眠りをこくぐらいには、ヒマだったり単調な業務が多かったわけであると。
それと、やっぱりもうみんな年上で、仕事をしているわけで。20代はほとんどいないしもちろん10代もいないからなんか別世界で。合計3週間のインターンシップは驚くほど独りで過ごしていた思い出がある。
映画『マイ・インターン』の舞台は華やかなニューヨーク。アパレル企業がシニア・インターン(大学4年とかではなく文字通りシニア対象)を募集。定年退職して毎日をつつましくもどこか物足りなそうに暮らすベン・ウィテカー(ロバート・デ・ニーロ)は募集の張り紙を見て一大奮起。応募して無事に雇われる。社長のジュールス(アン・ハサウェイ)の直属になったベンは若者だらけの社内で、慣れない環境で仕事をこなしつつみんなと打ち解けていくヒューマンドラマだ。
一番気に入ったのは、ロバート・デ・ニーロのなんとも豊かな表情。もちろんロバート・デ・ニーロは知っていたが、この映画の中での顔はすごい。眉をくねらせたり、瞬きを過剰にしてみたり、目尻を大胆に上げてみたり。率直に言って惚れる。気品がありつつも可愛らしくとてもとっつきやすい。ジュールスがやっていたように僕もベンに抱き着きたい。
最近の映画のイメージで『ダーティ・グランパ』の時のデ・ニーロはもっと嫌な感じで、おっさん臭がすごく出てた。こんなに印象の与え方が違う顔を見せられるのは演技力や役作りの努力の賜物なんだろう。
映画全体を通して、どんな風に一人の人間(ベン)が周りに影響を与えていって、どんな関係を築いていくのか、新しくて面白かった。人生の先輩であるベンが、同僚や上司に何を教えられ、何を受け取り、何を教え返すのか。僕らの周りの70代にもこんな人がいるんじゃないかと思わせられる。考え方も生きてきた環境もまるで違う世代同士がフレンドリーな関係を築けるのか。僕らの周りにもそういう70代がいるんじゃないか。
オシャレかつアグレッシブな雰囲気が出る老人の雰囲気に周りまで染め上げられてしまう、そんなヒトが。
意欲的に何かこれまでの日々と違う環境で何かを見つけ出そうと前向きな姿勢で生きる姿が如実にみれて感動してしまった。
しかもおふざけ要素もたくさん。ちょっとした言葉遊びや、アクティブな特別業務に学校で友達とするような恋愛相談。
ああ、ロバート・デ・ニーロさん。僕はあなたが大好きになりましたよ。
序盤、会社の環境に戸惑いつつ、歳の違う周囲からも驚かれる。しかも上司のジュールスから仕事が振られない
それでもベンは毎朝キッチリとスーツを着て出社する。こう言って。
「Let’s make it happen.(行動あるのみ)」
僕はこんな姿勢でインターンシップをやっていたかなぁ。