韓国映画を観ようキャンペーン
1. 映画を観よう
こんにちは、最近巷ではコロナウイルスの話題ばかりですね。店の休業要請に外出自粛、医療崩壊などなど暗い話が多いですね。
僕はこの4月から、大学生になりましたが授業は5月からしか開始されず、しかもリモート授業で7月までは登校できません。知り合いが一人もいない土地で友達100人できる夢見て都会に出てきたのにこの仕打ち。許せん。マジ許せんコロナウイルス。ただのタンパクとRNAだけの野郎が、高等動物である人間に「オイッス」と友達面で体内に侵入してくるなんてふざけていやがりますね。
だから伝染らない、伝染さないためにも家にこもっているのはかなり策として有効です。頑張りましょう。
さて、とはいえ土日とかヒマですね。社会人の皆さんは普段働いていらっしゃるのに、土日は「自粛だ!」の波でどこへも遊びに行けないのは本当に....
しかし時代はインターネット!動画配信サービスがたくさんあります!!そこで今回は、韓国映画を!韓国の面白い映画を!!5本皆さんに紹介します!!!
私が観たものの中からだけですが、ハリウッド映画に負けないくらいの脚本・ストーリーの深み・画力・設定の面白さがあるはずです。
2. 韓国映画について
韓国では映画の制作が盛んです。国立の韓国芸術総合学校や公的機関付属の映画アカデミーがあったりと映画製作者の育成に積極的です。初めて作製した長編映画「チェイサー(原題: 추격자)」で大鐘賞をとったナ・ホンジン(나홍진)監督や、直近だとなんとカンヌ国際映画祭でパルムドール(最高賞)を受賞したポン・ジュノ(봉준호)監督などの制作陣。ハリウッドにも多数出演するイ・ビョンホン(이병헌)やソン・ガンホ(송강호)などの名優がそろっており、日本でもメジャーな人が多くいます。
また韓国内では、先日封切られた「極限職業(극한직업)」が歴代最高の興行収入を更新するなど、盛り上がりを見せています。
3. 韓国映画の特徴
(個人の意見ですが、)韓国映画の特徴として、コメディやノワールが多い印象です。このふたつに、物語のエッセンスとして貧困・闇ビジネス・汚職などなど非常に韓国の社会問題に食い込んだテーマのモノが多いです。華やかな宮廷やドキドキの恋愛が主軸の韓国ドラマと違って、とても暴力性とエグみが醸し出されており、人間性・人生を問うような皮肉や絶望が織り込まれていることもあり、結構考えさせられるものが多々あります。
また、映像から映画の中の食堂や裏路地の「臭い」、アクション中の「痛み」がまじまじと伝わってきます。お隣の国だからだと思いますが、非常に雰囲気というものがマジマジ突き刺さってきます。またアジア映画に多いですが、ガンアクションだけでなく、刃物(特にその辺にありそうな普通の包丁)やパイプ、普通に拳であったりするし、乱闘も素人同士のようなものが多く、「わかる、わかるよその痛さ!!」みたいなのがムンムンです。(そこに惹かれましたが)
あと、警察がだいたい無能です。そこが現実の問題とリンクしていて、且つ、映画の中で面白さや愛嬌を発揮する隠し味にはなっています。
西洋の映画にはなかなか無い雰囲気に衝撃を受けることになると思います。
4. おすすめ7本
お待たせしました。ここから紹介です、ぜひ観てほしい7本を列挙していきます!!!
1. ミッドナイト・ランナー (청년경찰)
・あらすじ
警察大学で勉強し始めて2年になる熱血学生、行動派のギジュンと頭脳派のヒヨル。親友の2人は外出先で偶然、拉致現場を目撃する。学校で学んだとおり警察に通報するも複雑な手がかりと不足した証拠で捜査は一向に進まず、1分1秒と緊迫した中で時間だけが過ぎていく。ギジュンとヒヨルは自らの足で直接捜査を始めるが、予測不能な状況に出くわすこととなり...
・ポイント
警察学校の学生二人がとある事件を追うサスペンスコメディです。正義感にかられ、必死に事件を追っていく二人に幾多の障害が立ちはだかりつつも奮闘していくストーリーに純粋にわくわくさせられる、面白い映画だと思います。ベタな笑いの取り方ですがもう笑ってしまいます。反面、作中の事件がとあるモノのブローカーの犯罪集団(最初観たらかなりビビる)という、リアルな闇市場をモデルにした犯罪で、その笑いと恐怖のメリハリがとても上手いです。とても見やすい映画でおすすめです。
*Amazon primeで無料視聴可能
2. チェイサー (추격자)
・あらすじ
元刑事のオム・ジュンホが経営するデリバリーヘルスで、ヘルス嬢が次々と失踪するという事件が起きる。ジュンホは彼女たちに渡した高額な手付金を取り戻すため捜索を開始する。 やがて、出勤したキム・ミジンの客の電話番号が、それまでに失踪した嬢たちが最後に仕事をした相手と一致していることが発覚。ジュンホは単身、男の自宅へ向かっているというミジンのもとへ急ぐ。
・ポイント
先述した、天才ナ・ホンジン監督の長編デビュー作にして傑作の韓国映画です。分野としてはアクション・クライムで、華城20人連続殺害事件を題材にしたものです。追うやべえ奴と逃げるやべえ奴と無能な警察の三役というまさに韓国映画的なシチュエーションです。やべえキャラとかって愛おしくなることあったりしますが、もうこれは両方ともクソ野郎で、翻弄されてる一番警察が可愛いです。主演の二人がしっかり役にハマっていてもう演技なわけがない、と。感動しました。なぜ件の事件で犯人を捕まえるのが難しかったのか。社会問題を通して監督の描きたかった、モノが映画を通してエンドまでですべて結ばれて行きます。
*Netflix・U-Nextで無料で観れます。Amazon primeはなぜか配信停止中....
3. 7号室 (7호실)
・あらすじ
ドゥシクが経営する個室DVD店は、赤字続きで倒産寸前。給料を滞納されているアルバイト店員テジュンは、多額の報酬に魅かれ麻薬密売人の話に乗り、預かったブツを店内の「7号室」に隠す。ドゥシクは店舗を不動産として売るため、アルバイトを増やして大繁盛を装う。その甲斐あって売買契約を希望する相手が現れるが、新人バイトが店内で不慮の事故で死んでしまう。ドゥシクは死体を「7号室」に隠し、誰も開けられないようドアを施錠。密売人との約束の麻薬が取れないテジュンは大ピンチ!“秘密の小部屋”をめぐり、運命をかけた壮絶な攻防戦に突入する──。
・ポイント
コメディ・サスペンスです。観てもらえばわかりますが、キャラのイラつきが直に伝わってくるどうしようもないシチュが多々あります。なのにコメディですらブラックコメディ的なひとによっては気分の悪くなる展開ではあると思います。ただ個室レンタルビデオ屋で起こる騒動という珍妙なをストーリー観ていると、キャラがとんでもなく愛おしく、そしていつの間にかのめりこまされます。この映画では朝鮮族(中国の一部地域に住む朝鮮人、韓国では差別的な扱いをされることもある)設定のキャラが出てきます。これが映画のストーリー進行のポイントになっています。話題性としては、EXOのディオ(디오)が出演しています。
*Amazon prime・U-Nextで無料で観れます。
4. アジョシ (아저씨)
・あらすじ
過去の出来事が原因で心に闇を抱え、街の片隅で質屋を営んで生きる男テシク。隣に住む孤独な少女ソミは、テシクをただ一人の友達として慕っていたが、ある日、ソミが麻薬中毒の母親共々犯罪に巻き込まれ、組織に誘拐されてしまう。ソミを救い出すため、立ち上がったテシクは……。
・ポイント
アジョシ(おじさん)が少女のために奮闘するバイオレンスアクション。芋臭さはなく、洗練されたガンアクションが最高に最高です(語彙力)。犯罪組織と戦う主人公があまりにもカッコいい映画です。それ以外はいらない。ストーリーの流れ自体はベタですが、韓国らしい犯罪をしてる犯罪集団が出てきます。主人公、髪型のせいで米津にしか見えないです。
*U-Nextで無料視聴可能
5. ラッキー (럭키)
・あらすじ
裏社会で「成功率100%のパーフェクトな殺し屋」として知られる伝説の男・ヒョヌクはその日、仕事を片付けた帰りに偶然 立ち寄った銭湯で、石鹸を踏み転倒。床に頭を強打し、記憶喪失になってしまう。その場に居合わせた売れない貧乏 役者のジェソンが、ヒョヌクのロッカーの鍵をすり替えてしまったことで、ヒョヌクは記憶喪失の売れない役者ジェソンとし て生きることに。しかし生来の完璧主義から、真面目に役者としての成功を目指し始めるヒョヌク。一方ジェソンは、ヒョヌクにかかってきた依頼を受け取り、とんでもないトラブルに巻き込まれようとしていた…。
・ポイント
完全なるコメディです。もう笑っちゃう。殺し屋の話でなんでこんなに面白く作れちゃうのか不思議。終始笑って、幸せな気持ちになれるコメディなのでぜひ観てほしいです。主演はユ・へジン(유해진)という俳優さんで、顔と声が特徴的なのですぐに覚えてしまいます。「スパイな奴ら(간첩)」や「ベテラン(베테랑)」でも演技が上手くて、この映画で大好きになりました。気分が沈んた時に見ると生きる気力がわいてくるタイプの映画なのでこの鬱屈とした雰囲気の今、ぜひ観てほしいです。
*Amazon prime・U-Nextで無料で観れます。
6. アシュラ (아수라)
・あらすじ
アンナム市の市長という立場を利用し、利権をむさぼろうと犯罪を繰り返すパク・ソンべ。刑事のハン・ドギョンは、末期ガンに侵された妻の治療費稼ぎを理由にその処理を請け負っていた。市長検挙に燃える検事キム・チャインと検察捜査官ド・チャンハクは、彼を脅迫して捜査への協力を迫る。市長と検事たちの間に立たされたドギョンだが…。
・ポイント
政治汚職を軸に、利権と金に翻弄される人間劇を描くクライムサスペンスです。この映画は、テーマがテーマだけにかなり気持ちがひん曲がるというか、グジャグジャの人間像が克明に描かれます、後程紹介しますが、市長役のファン・ジョンミンの演技と表情はもう圧倒的に狂気にまみれています。まともな正義などないと、映像とシチュエーションに頭をぶん殴られる作品です。ドロドロしたのが観たい人には最高にハマると思います。
*Amazon prime・U-Next・Huluで無料で観れます。
7. オールド・ボーイ (올드보이)
・あらすじ
主人公オ・デスが酔っ払って補導され、交番で揉めている。その日は愛娘ヨニの誕生。親友のジュファンの迎えで交番を後にしたデスは、妻と娘に公衆電話から電話をします。そこで娘にお祝いを告げるとデスは「もうすぐ帰るからね」と言って、ジュファンに電話を代わる。しかしその会話の数秒後、デスはジュファンの目の前から突然消える。ある者に誘拐されたデスは、自分が拐われた理由が全くわからないまま監禁され続けることに。そして長い年月がたち、15年後、なぜか突然に彼は解放される。デスは、心当たりの無い地獄の仕打ちに対して強い復讐心を持って、監禁部屋に追い込んだイ・ウジンの用意した5日間のゲームに挑みます。なぜ監禁されたのか……?」
・ポイント
カンヌで特別賞(パルムドールに次ぐ賞)を授与され、ハリウッドでリメイクもされた韓国映画の傑作。序盤の主人公が酔いつぶれた場面から始まる映画が、15年間監禁されるというストーリーにつながるのはあまりにも突飛ですが、作中で張り巡らされ火をつけられた導線が、最後の謎が解ける瞬間に収束していき大爆発の印象を植え付けるストーリーです。最高に構造が美しい。常人では思いもしない展開で予想ができません。ぜひ見てください。
*Netflix・U-Next・Amazon primeで無料で観れます。
5. できれば観てほしい4本
観てほしいけど、内容が重かったり、長かったりするので、興味があればという4本です。
・哀しき獣 (황해)
前述した、チェイサーと監督、主演二人が同じ映画です。ただ、前作の追う側と追われる側が逆転した内容。全く逆の立場でクライムアクションが楽しめる作品です。三幕構成で2時間半以上ある長い物で、内容もなかなかヘビー。このストーリーを描き切った監督は尊敬します。これが一番最初に観た韓国映画でこれに衝撃を受けてハマりました。是非に。
・パラサイト 半地下の家族 (기생충)
パルムドール受賞で話題になった、「殺人の追憶」や「グエムル -漢江の怪物-」も手掛けたポン・ジュノ監督作品。貧困一家が金持ち一家の家に家庭教師やタクシードライバーとして職業を得ていく物語。人間同士の憐れなだまし合いと踏みつけ合いの中で、監督が描きたかった「臭い」がたっぷりと伝わってきます。
・ベルリン・ファイル (베를린)
ベルリンでの南北スパイの攻防戦。漏洩した情報をめぐって諜報員同士の思惑と火花が交錯していきます。韓国という国に対して、北朝鮮という存在があるためこのような題材の映画は多いです。
・哭声 (곡성)
天才、ナ・ホンジン監督の3作目。小さな村で起きる奇怪な異変の数々を追う刑事の物語。圧倒的な映像力と演技力。聖書の一節から始まることからわかるように、映画の表すものが本当に難しく、韓国特有のシャーマニズム、キリスト教の概念、神と悪魔と、などメタファーや宗教学的な要素が数々あるとても深みのある作品。日本の俳優、國村隼も出演し青龍賞を受賞。
6. 大好きな俳優
ここまで長くなってしまっていますが、好きな俳優2人だけ軽く紹介させてください。
・一人目
ファン・ジョンミン (황정민)
代表作に、「国際市場で会いましょう」「ベテラン」「傷だらけのふたり」「新しき世界」「黒い家」など。一億俳優と呼ばれる超売れっ子俳優です。上の画像のように非常にいい笑顔をする韓国人のおじさんですごく親しみやすい感じです。「工作 -黒金星と呼ばれた男-」の時の演技とキャラクター映像をみれば人の好さがにじみ出すぎてとまりません。
しかし、一方で悪役となれば
最高に悪い顔と人を食ったような演技に変わります。このギャップにやられました。最高の俳優さんです。ごひいきに。
・二人目
ハ・ジョンウ (하정우)
代表作として、「トンネル -闇に閉ざされた男-」「神と共に」シリーズ、「テロ、ライブ」「悪いやつら」などに加え、先述した「哀しき獣」「チェイサー」にも出演しています。こちらも優しそうな韓国人のおじさん。タレ目でどの映画に出ても、
困った感じの表情になってしまいます。そこが可愛いんですが。この特徴的な表情は大きく変わらないのに、怯えた様子や狂人演技も絶望もとてもよく演技してくれます。大好き。
二人とも演技力抜群で大好きなので、興味があればしらべてみて下さい。
7. おわりに
めちゃめちゃ長くなって申し訳ないです。書き出したら止まりませんでした。韓国の映画は、どこかで触れないとなかなかその実態が分からないので、ここで紹介させてもらいました。私自身、まだまだ観れていない作品だらけなのでこれからもたっくさん観て、その魅力にもっと溺れたいと思っています。本当に、邦画とも洋画とも全く雰囲気が異なる世界ですので、少しでも気になる作品があれば観てみてください。
とても長い文章になりましたが最後まで読んでくれてありがとうございました。